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言霊学「島生み」②~天の沼矛とは~

最初に何かのはずみで生まれた

意識の原初である天之御中主の神(言霊ウ)。

これは何だ?という

自覚の分析が始まりました。

自らを分けるのが自分。

言霊ウからのあらゆる言霊の発生は

まさに己を分析するための

細胞分裂のような働き。

 

今回も島生みのくだりを進めていきます。

 

ここに天津神諸あまつかみもろもろ命以みこともちて

伊邪那岐の命伊邪那美の命の

二柱の神にみことのりたまひて

この漂える国を修理おさめ固め成せと

あめ沼矛ぬぼこを賜ひて

言依ことよさしたまひき

かれ二柱の神

あめ浮橋うきはしに立たして

その沼矛を指し下ろしてきたまひ

塩こをろこをろに画き鳴らして

引き上げたまひし時に

その矛のさきよりしたたる塩の積りて成れる島は

淤能碁呂島おのごろじまなり。

その島に天降あもりまして

あめ御柱みはしらを見立て

八尋殿やひろどのを見立てたまひき。

 

「この漂える国」とは

まだ何一つ現象として起きておらず

全く定まっていない世界のこと。

 

「修理め固め成せ」のおさめには

修理という漢字が使われています。

修には正しく整える

理には磨く・整える

という意味が込められています。

 

また固め成せの

固にはしっかりと安定させる

という意味があります。

 

まだ何も形として成していない

ただ漠然とそこにあるだけの

渾沌とした世界に突如出揃った

母となる言霊意識と

父となる言霊意識。

 

正しく美しい世界を創り

しっかりと安定させるために

これらの意識を

活用していこうということです。

 

私たちの世界にもし

言葉というものが無かったら

どういう世の中になっていたでしょうか?

 

言葉があることで

森羅万象に名をつけ

その名があることで

意思疎通が可能となります。

 

物事の区別を

明確にすることができます。

心の中で思うことも

頭の中で考えることもすべて

言葉を使っています。

 

聖書でも

初めに言があった。

言は神と共にあった。

言は神であった。

この言は、初めに神と共にあった。

万物は言によって成った。

とあります。

 

正直私は初めてこれを聞いた時

全然ピンときませんでしたが

「もし言葉が無かったら」と

思ってみたら納得できました(^▽^;)

 

「天の沼矛」の矛とは

柄のついた両刃の太刀です。

この矛はそのままの意味ではなく

もちろん謎かけです。

 

これからこの天の沼矛を使って

子音言霊を生んでいくわけですが

私たちが言葉を発するときに

必要とするあるものと

この矛の形が似ているのです。

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何かひらめくものはあるでしょうか?

 

私たちが言葉を発するときに必要とし

絶妙に動かして使うのは……

ズバリ舌ですね。

この舌の形と矛の形

似ていると思いませんか?

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では沼矛の沼の部分は何でしょうか?

ぬぼこと読むので

ここでは「ヌ」として考えます。

ヌという言霊は

言霊学においても

カタカムナにおいても

「貫く」という意味を持ちます。

 

言霊で横に展開しているものと言えば

八父音が思い浮かびます。

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父音とは母音に働きかける機能です。

 

キの必要な情報などを掻き集める力動

シの鎮め収める力動

チの事を起こす弾みの力動

ニのより分かろうと煮詰める力動

ヒの心や理解の状態を表面化する力動

ミのあらゆる縁に結びつこうとする力動

イの始めたことを持続させようとする力動

リの螺旋状に進化成長させる力動

 

これらが母音と半母音を繋ぐ

目に見えない世界と

目に見える現象界を繋ごうと

横に展開して働き

舌を動かし言葉を発するわけです。

 

心の内容と舌の動きがあって

言葉は発せられるのですね。

 

またここで矛が使われたワケが

他にもあります。

 

前述したように矛とは両刃の太刀。

タチは「断ち」に通じます。

最初にあらわれた言霊ウは

これを知ろうとして言霊ア(主体)と

言霊ワ(客体)に分断しました。

 

そして私たちは己のことを

自分と言います。

自らを分けるから自分。

自らを分けて分かるのが自分です。

 

何が原因・きっかけとなって

この現象が起きたのかを知るには

時系列などを細かく分けて判断します。

 

分けるのに使うのが太刀であり

剣が知恵を表徴とされる所以です。

 

また剣は「連氣」とも取れ

分断してバラバラにした素材を

整理して繋げ合わせる

という意味も含んでいます。

 

バラバラにしたままでは

何の進化成長にも繋がりません。

それらをひとつずつ吟味した後は

さらに良い状態とするために

繋ぎ合わせて再び活用するのです。

これが両刃である所以です。

 

判断するために

切り刻みっぱなしというのは

いかにも不完全であり

判断して得られた知識を

うまいこと整理し組み合わせて

これからのより良き未来に

繋げて活かしていくのが

本来の人の役割です。

 

この機能を持ち合わせていない人など

本当は一人もいないのですが

言霊の原理が弱まっている

現代社会においては

切り刻みっぱなしになっていることも

あちこちで多々起きているように感じます。

 

原因や責任を自分以外の誰かや何かに

押しつけようとしてしまう思考ですね。

 

しかし一人一人がこれから

自分にも備わっている太刀を

意識的に使いこなしていけば

より良い世界はすぐにやってくるのです。

 

すべては言霊ウから始まった

先天の宇宙構造から

派生した来たわけですから

ここに繋がっていない存在など

たったの一つも無いのです。

 

「天の」はもちろん

先天のという意味で

私たちが自覚しようのない

心のずーーーーーっと

奥の方を表しています。

 

「言依さしたまひき」は

そのまま言霊を手段として

という解釈でいいと思います。

 

聖書にもこうあります。

成ったもので

言によらずに成ったものは何一つなかった。

 

不思議な繋がりを感じずにはいられませんね。

 

今回は以上です。

最後までお読みいただき

ありがとうございました(^▽^)♡

 

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