急に何かを思いつく。
この思いつきって一体
どこから来てどのようにたどり着くのか。
このしくみを知ることができるのが
言霊学です。
今回も古事記の解釈を進めましょう。
この速秋津日子
速秋津比売の二神
河海によりて持ち別けて生みたまふ神の名は
沫那芸の神。
次に沫那美の神。
次に頬那芸の神。
次に頬那美の神。
次に天の水分の神。
次に国の水分の神。
次に天の久比奢母智の神。
次に国の久比奢母智の神。
津島のタトヨツテヤユエケメの
十の言霊までは
潜在意識・集合意識から発せられた
思いの種が脳内に飛び込み
細い川のような脳神経を通り
いよいよ海のような口腔内に
出て行こうとするまでの段階でした。
今回はここに納まる最後の二神が
新たに生む神々のくだりなので
一段下のステージに入ります。
まず最初に生まれるのは
沫那芸の神と沫那美の神です。
違いは芸と美だけですね。
ギ・ミと言えば思い浮かぶのは
伊耶那岐と伊耶那美ですよね。
これは活動の場が異なるだけで
この二神は伊耶那岐と伊耶那美同様の
役割を持っていることを意味しています。
沫はアとワつまり主体と客体のこと。
主体は意志で
客体は道具や結果などの現象です。
意志は見えないので氣であり霊です。
ここで言う客体は言であり
人が口から声を出す事で
言葉や発声器官(体)を指します。
また沫という漢字は
「液体が空気を包んでできた小さい玉」
「唾液」などという意味を持ちます。
私たちは言葉を発する時に
同時に息を吐いているので
まさに水分で氣を含んだ小さな玉を
出していることになります。
力がこもったりすると
目に見えるほどの唾になって
飛び出てくることもありますね。
口が乾くとうまく話せません。
ここは思いを伝えるために必要な水分(唾液)を
分泌するための準備段階と考えられそうです。
那に関しては私が持っている本には
記述が無いのですが
せっかくなので検証してみようと思います。
ナはNとアですね。
Nは煮詰める力動です。
吾を煮詰めたものが名になります。
名前というのは
そのものを表す看板のようなもの。
ちなみにカタカムナにおいて
ナは核・重要なものという意味です。
アとワを結ぶ核であり重要なもの
…ということでしょうか。
主体の氣・霊と
客体の言・体を結びつけて
言葉が成るわけです。
那という漢字には
「~に於いて」の意味もあり
ア(主体)とワ(客体)を結びつけるに於いて
と解釈することもできます。
沫那芸の神の言霊はクです。
クを分解するとKとウ。
目には見えないエネルギーを
搔き集める力動が原初の意識の
ウにかかっています。
「クー」という声を発するのは
どんな状態の時でしょうか?
ほぼ無意識レベルで
自分自身を強く感じている
もしくは感じようとしている
そんな状態かと思います。
感情をかみしめるような時とか
内に秘めたる力を
集めようとしている時とか。
何となくニュアンスが伝わるでしょうか。
沫那美の神の言霊はムです。
Mとウですね。
Mは目に見える適当で必要な
人や物などと結びつける力動です。
両方合わせてクムです。
まさに津島の段階において受信して
より具体化された心象が
言葉となるために適当で
必要なものが組み結ばれる段階を
司っているということですね(;^ω^)
つづいて頬那芸の神と頬那美の神です。
こちらも沫那芸・沫那美と同様で
主体(氣・霊)と客体(言・体)の関係性です。
頬はそのままの意味で
言葉を発するために動きを強いられる
頬の筋肉への働きかけと取れます。
頬那芸の言霊はスです。
Sの鎮める・浸透させる力動が
原初の意識のウにかかっています。
ウから始まった細胞分裂のような動きが
一連の活動を終えてスーッと鎮まって
帰結する状態をスが表しています。
1から始まり9になるということは
次に10になることを同時に意味します。
終わりは新しい始まりであり
これを切り離すことはできません。
まさに表裏一体の関係です。
なのでウはスであり
スはウでもあるのです。
天之御中主の神名にある
主という字をスとも読みます。
少し余談になりますが
現在私たちにおなじみの五十音図は
天津金木音図というもので
母音の並びを見るとアイウエオと
ウが中心となっています。
これは五感的欲求の次元が
人々の思考・行動の中心となっていることを
ひそかに表しています。
この音図を
アカサタナとハマヤラワのように
縦半分に分けると
スはアカサタナの方の
ちょうど真ん中にあたります。
ス(主)が基本となっている音図なので
これを主基田といいます。
一方でハマヤラワの方は
ユが音図の中心に座しているので
悠基田といいこれらは宮中行事にも
深くかかわっています。
これらについてはまたそのうち
別で記事にしてみたいと思います。
話を元に戻しましょう。
頬那美の神の言霊はル。
Rという物事を進化・展開させる力動が
原初の意識ウにかかっています。
スとは反対のイメージですね。
しかもただまっすぐ進むのではなく
ドリルのように旋回しながら
力強く進んで行くのを感じさせます。
これらはまるでブレーキとアクセルのよう。
ブレーキでは変化を起こせないし
かと言ってアクセルだけでは危険です。
両方をうまく使いこなすことによって
順調に事がスルスルと運ぶわけです。
恋愛や交渉事などもグイグイと
ただ押してばかりじゃうまくいきません。
押したら引く
引いたら押すのがコツです(笑)
筋肉を鍛えたり
何かを学ぶのもまたそうですね。
眠っている間に成長する如く
間というインターバルがあってこそ
成長は効率良く進むのです。
なのでこの二神は
組み結んだ言葉の発声を
順調に行うための活動を
司っていると解釈できますね。
以上!氣と身を
クんでムすんで実行スルのが
今記事で紹介した四神の働きでした。
P.S.
今回の記事を書くにあたって
ふと氣づいたことがあります。
それはムという言霊。
Mは前述したように適当で必要なものと
結びつけようとする力動です。
原初の意識というウは
何だかよくわからないけど
確かに有る意識。
それが何かに結びつこうとすると
ムという言霊になります。
無・夢・霧などつかみどころのないものを
表す字を連想させるところが
何だか深くないですか?
だから何だと言われれば
回答に困るのですが(^▽^;)
今回も最後までお読みいただき
ありがとうございました(^▽^)♡
みきっぺが読んだこの記事に関連する本